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Vol.64 『Dr.パルナサスの鏡』

A Tribute to Heath Ledger: The Illustrated Biographyマスコミ試写にて『Dr.パルナサスの鏡』観賞。テリー・ギリアム監督のファンタジー映画で、この撮影中、ヒース・レジャーが急逝したため、一時完成が危ぶまれましたが、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの協力により無事完成したヒース・レジャーの遺作です。
ヒース・レジャーというとアカデミー賞を取った『ダークナイト』というイメージが強くなっていますが、個人的にはデビューしたての『パトリオット』『チョコレート』のころのほうが印象が強いです。どこか頼りない、初々しい青年というイメージでしょうか。当時、いい役者が出てきたなぁと思っていました。


それが一皮も二皮もむけて、いよいよ実力派俳優となったところでの突然の死去。本作を観ても非常に貫禄のある演技をしていて、その死が本当にもったいない役者を亡くしたという気がします。まだまだこれからたくさんの映画で活躍してくれたはずなのに……。
この作品では現実世界と、そこに入った者の隠し持つ欲望を具現化する鏡の世界が登場します。レジャー演じるトニー役の現実世界分の撮影が終わったところでレジャーが亡くなったのですが、鏡の世界でのトニー役をジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3人が演じています。
同じ役を4人でやるというのはいったいどうやるのだろうと思っていましたが、ファンタジーでもあり、脚本に破綻もなく、しかもそれぞれの役者が持つ味がきちんとその役に反映されていたのは見事でした。さらにいうと、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウという豪華な顔ぶれが揃っても、やはりトニー役はヒース・レジャーのものという形でまとまっているあたりがすばらしかったです。
鏡の世界の表現は、さすが映像の魔術師と呼ばれるテリー・ギリアムという感じがしましたね。『バンデッドQ』『未来世紀ブラジル』『バロン』など、これまでも独特の世界観を表現してきたギリアム監督ですが、当時なかったCGという武器を用い、そのギリアムワールドはさらにスケールが広がったと思います。
人々の隠し持つ欲望を実体化するという、とてもシュールな世界を映像化しなくてはならなかったわけですが、その美術という点で、これまでの映画にはない世界が構築されています。その世界を観ているだけで楽しい、次はどういう世界?というワクワク感があります。ただここは、好き嫌いがはっきり分かれるところでもあるとは思いますが……。
自分があの鏡の世界に入ったら、いったいどういう世界になるんですかねぇ(^_^;)
『Dr.パルナサスの鏡』は2010年1月、TOHOシネマズ 有楽座ほかにて全国ロードショーです。
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