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Vol.72 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』

大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE新宿武蔵野館にて『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』観賞。製作スタッフを一新し、新しいウルトラマンの映画を目指した意欲作。100体もの怪獣、ウルトラ戦士総出演、光の国の全貌が初めて映像化されるなど、話題盛りだくさんの作品。
ワイヤーアクションとCGの融合により、これまでにないカメラアングルとスピード感を実現。冒頭、ウルトラマン第1話のオマージュともいえるベムラーとメビウスの戦いを始め、ウルトラ戦士と怪獣の戦いもとても迫力のある映像として展開されます。


とはいえ、ウルトラシリーズの映像としては初めてでも、映画全体で考えたときにはすでに実現されている手法でしかなく、特に目新しさはありません。それこそ『マトリックス』やアメリカンヒーロー物ではおなじみの手法なので、いまさらまったく新しいと言われても……という感じでしょうか。
さらに言うと、ほとんど全編をグリーンバックで撮影しての合成に頼っているため、背景とキャラクターの合成がとても不自然なシーンがままあり、違和感を感じるシーンも多数ありました。かといってここ何作かのフルCGで描かれたウルトラマンたちはさらに違和感があるので、どちらがいいとも言えないのですが。
光の国の全貌という点では、昔の子ども向け雑誌に描かれていたイラストの世界がそのまま映像化されたというイメージです。もちろん初めて観る映像ではありますが、観客にとってはそれぞれのイメージが固まっている映像でもあり、特に驚くこともなければ、こういう感じだよなぁという程度でしょうか。個人的には可もなく不可もなく、特筆する点もあまりないなぁということろ。
今回は『大怪獣バトル』とウルトラマンたちが一緒に登場し、オールスターキャストという体裁の映画ですが、これも必要だったかどうかというとちょっと疑問です。ウルトラマン誕生秘話、光の国を描く映画であれば『大怪獣バトル』をからめなくてもいいのではないでしょうか。ウルトラ戦士の物語をその分きっちり描いたほうがよりよかったと思います。
せっかく若い頃のウルトラの父や母、ゾフィの姿などが登場するシーンがあるのに、もう少し掘り下げてもいいんじゃないかなぁと。そういった部分こそ、これまで明かされていなかったウルトラ戦士の歴史というエピソードなわけで、もう少し観たかったなぁ。
そういえばダイナの登場も唐突でしたね。そもそもM78星雲出身でないダイナが突然登場しても、ウルトラマンたちが誰もなんのつっこみも入れずに受け入れるあたりは不自然といえば不自然。前作では昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンが競演したわけですが、今回はその続きというわけでもないので、どうフォローするのかと思っていたら……なにごともなかったように入り込んできて……うーん(^_^;)
新しいウルトラマンとして、ウルトラセブンの息子ウルトラマンゼロが登場するのが目玉になります。というか、このウルトラマンゼロが主役の映画で、その他の要素はおまけと考えてもいいでしょう。なにしろ強いし、見せ場も豊富。いっそタイトルを『ウルトラマンゼロ 誕生編』にしてしまってもいいくらいです。
まあそれだと取り込めない観客もいるということでの措置なんだと思いますが、新しいウルトラムービーとうたうなら、そのぐらい思い切ったほうがよかったかも知れません。
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