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『闇の列車、光の旅』キャリー・ジョージ・フクナガ来日記念シンポジウム開催

豊かな島国日本にいては、遠い国の問題と思われがちな移民、そして難民問題。しかしながら本年、わが国でも第三国定住による難民の受け入れが実施されるとささやかれています。
本作の公開を契機に「今、世界で起きている現実」から日本国内における移民・難民問題までも広く考える機会を設けるべく、フクナガ監督登壇による<日本における移民・難民問題を考えるシンポジウム付特別試写会>を開催する運びとなりました。
本作は、貧困ゆえに危険な旅を強いてでもより良い生活をもとめる移民の少女と、ギャングという組織の中でしか自分を守ることができない少年が織り成す感動のロードムービーです。
監督自ら移民の中に入り取材を敢行、中南米が抱える移民問題と真摯に向き合い、中南米の“今”をリアルに伝えてた本作の監督と、日本での難民支援に長く尽力される石井宏明さん、世界を股にかけ活躍するジャーナリストシルビアさんとの“映画を通して語るグローバルな移民問題”のシンポジウムの様子をリポートさせていただます。


2月10日(水) セルバンテス文化センター東京
<本編>18:30~
<シンポジウム>20:0~21:00
登壇:キャリー・ジョージ・フクナガ監督(32)、石井宏明【NPO法人難民支援協会事務局長代行】、
MC:シルビア・リディア・ゴンザレス【ジャーナリスト】
フクナガ監督:
「1つの列車の屋根の上に約700人乗ってホンジュラスからメキシコを経由、2つの国境を越えてアメリカを目指す移民たち」がいるという事実を知った時、興味を持ち映画にしたいと思った。
リアリティを追求する為、実在のギャングに40人以上会いに行き(映画の中にも登場する“マラ・サルバトルチャ”というギャング)、2つの刑務所にも行き、移民たちと同じ列車の上で何度も同じ旅をした。結果、膨大なデータを基に映画へと作り上げた。その結果、最終的に持った移民問題に対する見解は”アメリカに行ったからといって本当に皆は幸せになれるのかどうか分からない。”という現実。事実、失望してアメリカに行ってから帰ってくる人たちも居るし、差別的な扱いも受けている場合も多い。よりよい暮らしを求めて国境を越えた後のこの現実を、今後世界は考えていかなければならないかもしれない。
石井宏明:
アメリカの移民数は年間88万人だが、比べて日本は4~50人である。日本では2年前に、“移民政策学会”が立ち上がったばかりだし、まずこの絶対的な違いの原因を考え・なんとかしなければならない。
そして“日本人にとって移民は疎遠である”ということもよく言われるが、実は、イチローや松井だって“より良い生活・実力を発揮できる場所を目指して外国に発つ”という「移民という言葉の定義」を基に考えれば、彼らも移民と言っていいのかも?という解釈ができる。とにかく、この映画を通して、より世界や日本で、“生きるために死ぬ思いをしなければならない”という人たちが数多くいる事を知って欲しい。
監督・脚本:キャリー・ジョージ・フクナガ(長編初監督)
キャスト:パウリーナ・ガイタン/エドガー・フロレス
製作総指揮:ガエル・ガルシア・ベルナル/ディエゴ・ルナ/パブロ・クルス
原題:Sin Nombre
2009/アメリカ・メキシコ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/スペイン語/96分/PG-12
©2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
『闇の列車、光の旅』
2010年初夏、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
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