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Vol.96 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』

スター・ウォーズ 帝国の逆襲観賞映画振り返りコラムの38回目は1980年に観た『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』。大ヒットを記録し、SFブームを巻き起こした『スター・ウォーズ』シリーズ第2作で5番目のエピソード。日劇(現在のではなく旧日劇)で友人と観ました。
前作で大敗した帝国軍が氷の惑星ホスで反乱軍を追いつめているシーンから始まるこの作品は、そのシーンだけでも前作以上のSFXを駆使していることがわかるほど、その技術の進歩に驚かされます。特にこのホスではAT-ATスノーウォーカーの大きさと重量感、その周りで攻撃をする戦闘機の動きなどが秀逸です。


また小惑星帯を飛行するミレニアム・ファルコンのシーン、雲の惑星ベスピン、惑星ダコバでルークの師となるヨーダが沼に沈んだXウィング戦闘機をフォースで浮かび上がらせるシーンなど、映像的な見どころは満載です。
ヨーダはこの作品で初登場となりますが、そのマペット操作をフランク・オズが担当。多少ぎこちないところもありますが、きちんとそこに存在している生き物として動きをしている点がすばらしかった。このような人形を使うと、見るからに人形とわかってしまうことが多いだけに、このヨーダの造型と動きは拍手を贈りたいですね。
ストーリーのほうは、ホスでの戦闘後、ルーク・スカイウォーカーと、ハン・ソロ、レーア姫とは別行動になってしまい、ラストシーンまで再会しないため、両方の話が交互に入り、ちょっと散漫な感じがしました。ベスピンを統括しているハン・ソロの旧友ランド・カルリシアンや、前作の酒場のシーンでハン・ソロが言っていたジャバ・ザ・ハットへの借金のために雇われたボバ・フェットなど、登場する新しいキャラクターがルークよりもハン・ソロがらみのため、話がそちら中心になっている点で主人公としてのルークがちょっと弱い気もします。
にも関わらず、最後はやはりルークの話で、しかも衝撃の真実が明かされることになるので、それまでのストーリー展開がかすんでしまう感じがありました。なんていうか、この作品で重点を置くべきところと、全体の進行がかみあっていない感じといえばいいでしょうか。しかも話は前作を観ていない人には唐突に始まる感じがあり、さらに途中で終わってしまうというエンディング。見終わった後、なんとも中途半端な映画だなぁというのが素直な感想です。
唐突といえば、その衝撃の真実というのもえらく唐突。ルークとダース・ベイダーの一騎打ちのシーンで突然明かされる真実。それも「はぁ?」って言いたくなるような話に聞こえました。『スター・ウォーズ』はこの後1本と、エピソード4の前の3作品が作られるわけですが、壮大な物語と言いつつ、あまりにも世界が狭すぎますよね。この作品で出てきたボバ・フェットがまさかそれ以前からのつながりがあるとはこの時思いもしませんでしたが、そういったところも含めて話がとても小さい。
このあたりは引き続きエピソード1~3について書く際に触れていきたいと思います。
そういえばこの作品の世界共通ポスターは生頼範義さんが描いたものでした。これはとてもいいイラストでしたし、日本人イラストレーターがアメリカ映画のポスターを手がけるというのが、なんかとてもうれしかったです。
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