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Vol.124 『ロビン・フッド』

マスコミ試写にて『ロビン・フッド』を観賞。リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット主演。今年のカンヌ映画祭でオープニングを務めた作品で、『グラディエーター』の監督・主演コンビとくれば期待が高まるというもの。
ロビン・フッドといえば、シャーウッドの森に仲間達と住み、民衆に圧政を強いる国王に立ち向かうヒーローなわけですが、実際のところは実在したかどうかも定かではない、吟遊詩人によって語り継がれた伝説の人物です。これまでも様々な映画、ドラマで描かれてきましたが、弱きを助けるヒーローとしての側面が強調されるものが多く、実在した人物としての生々しさというのは描き切れていなかったと思います。
今回のリドリー版では、十字軍遠征帰りの男が運命に導かれるかのようにノッティンガムの村を訪れ、さらにはイングランドの危機に立ち向かい、そして伝説となっていく姿が描かれています。


この物語はフィクションでありながら、その人物が本当に存在し、伝説のヒーローになっていく過程を観せなければならないわけで、当然のことながら、そこに強力な説得力がなければなりません。しかしそこはさすがにリドリー・スコット。過去にも『1492 コロンブス』や『グラディエーター』といった歴史大作を作っていますが、それらに負けない重厚な映画になっています。
12世紀、13世紀のイギリスで本当に撮影したかのような城や村のセット、細かい小道具から全体的な色彩まで、とてもリアルな映像でした。冒頭の城攻めや、クライマックスとなるフランス軍との戦いも迫力満点。久しぶりにいい歴史映画を観たなぁという感じ。
またラッセル・クロウがいいんですねぇ、これが。『グラディエーター』でも男の中の男といった雰囲気をかもしだしてましたが、今回も、伝説の人物となっていく一人の男を力強く演じています。ロビン・フッドといえば弓なわけですが、ラッセル・クロウが弓を引くシーンがすばらしかった。
体からも弓矢からもほとばしる水しぶき。スローモーションで放たれる矢。このシーンはそれだけで絵になる、すばらしい映像でした。なぜこの絵をメインポスターにしないのか、とても不思議です。この絵は、映画史上に残る名シーンだと思います。
ケイト・ブランシェットも初めはいぶかしんでいるのに、徐々にロビンに心惹かれていくマリアンの姿を見事に演じていてよかったですね。ほかにもマックス・フォン・シドーやウィリアム・ハートといった名優が脇を固めていて、この重厚な物語に命を吹き込んでいます。
『ロビン・フッド』は12月10日から全国ロードショーです。
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