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Vol.128 『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』

ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国マスコミ試写にて『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』を観賞。昨年の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の続編となるウルトラマンシリーズ45周年記念作品。配給はワーナーから松竹へ戻りました。
前作のコラムのときに「ウルトラマンゼロ以外はおまけ。新しいウルトラムービーとうたうならいっそタイトルを『ウルトラマンゼロ 誕生編』にするぐらい思い切ったほうがよかったかも」というようなことを書きましたが、この作品はゼロを主役にすえたオリジナルムービーとして完成度が非常に高くなっています。これを去年やってくれればよかったのに。あっ続編といっても前作を観ていなくても十分楽しめます。


今回、歴代のウルトラ戦士も登場しますが、そこはあくまでプロローグであり、ウルトラマンゼロとニューヒーローたち(ミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボット)、いわゆるウルティメットフォースゼロの活躍がメインとなっています。初登場となるキャラクターの紹介と見せ場がきちんと盛り込まれているシナリオがとてもいいです。最初から最後までテンポよく話が進み、よくこれを100分程度にまとめたなぁと感心しますね。
歴代ウルトラ戦士の見せ場がないといっても、往年のファンにはそのミラーナイト(『ミラーマン』がモチーフ)、グレンファイヤー(『ファイヤーマン』がモチーフ)、ジャンボット(『ジャンボーグA』がモチーフ)の3人の活躍が新しくもあり懐かしくもありという感じで楽しめるのではないでしょうか。この3人が映し出されるシーンのBGMにはかつてのテーマ曲のスコアが入っていたりして、思わず「おっ」となります。「ミラーマーン」を音階付きで脳内再生できる人ならわかると思いますがそのフレーズです。
さらに、今回ゼロが共感し乗り移ることになる人間体ランと弟のナオが探しているのが「バラージの盾」という設定。初代『ウルトラマン』を覚えている方なら「バラージ」というキーワードで反応できるんじゃないでしょうか。怪獣アントラーに襲われた村の名前ですよね。そういったウルトラマンの歴史も盛り込みつつというのがうれしいところ。
とはいっても話としては新作オリジナルということで、これまでのウルトラシリーズとは違う新しい物語であり、また一つ幅が広がったと感じます。まあ話としては監督・脚本を務めたアベユーイチさんの『SDガンダムフォース』ではありますが、あの世界をウルトラシリーズに取り込んで違和感なく仕上げたのがこの作品という感じです。
そういえば、今回の話は別宇宙の話なので地球および地球人はいっさい登場しないのですが、ウルトラシリーズではひょっとして初めてじゃないでしょうか? 私の記憶する限り、地球人がからまない話というのはこれまでなかったような……。
映像としてはもちろんCGが主体になっていますが、去年ほどの違和感はないですね。前作はどうも背景とキャラクターのズレが気になりましたが今回はそういうことはありませんでした。また、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』に期待していたはずの宇宙戦艦による大戦闘シーンがこちらで観られたのが気持ちよかったです。クォリティの差はありますが、あの映画にこういうシーンを期待していたんですよね。その消化不良になっていたストレスがウルトラマンゼロで解消できるとは(^_^)
エンディングでかかるGIRL NEXT DOORの「運命のしずく~Destiny’s star~」がとても気持ちよく、映画を観ている最中のワクワク感を館内が明るくなるまで持続させてくれ、この先のウルティメットフォースゼロの冒険が観たい!という気分になります。個人的には久しぶりにおもしろい、スカッとする日本特撮映画を観た、そんな感じでした。
『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』は12月23日から全国ロードショーです。
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