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ショパンの201回目の誕生日! 『ショパン 愛と哀しみの旋律』横山幸雄がショパンに捧げる生演奏!

~愛と運命に翻弄された知られざる激動の人生~
ショパンの201回目の誕生日!
横山幸雄がショパンに捧げる生演奏!
映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』
3月1日(火)演奏付きトークショーのご報告
世界で最も愛される偉大なる作曲家フレデリック・ショパン。数々の珠玉のピアノの名曲で“ピアノの詩人”と称えられるショパンだが、その人生は祖国ポーランドとの別れ、長期の肺病との闘い、作曲家としての挫折と数々の苦悩にみちていた。そんなショパンの繊細な曲だけではない、激しい感情を揺さぶる音楽へと才能を昇華させたのは、生涯最も愛したジョルジュ・サンドとの波乱に満ちた愛の物語があった。
ショパンの人生を描いた映画にふさわしく、世界を代表するチェリスト:ヨーヨー・マ、『戦場のピアニスト』の演奏で世界を涙させたポーランドのピアニスト:ヤーヌシュ・オレイニチャク、そして、日本からはショパン随一の名手であるピアニスト横山幸雄ら世界最高峰の才能が楽曲を提供し、奇跡の競演が実現した。


ショパンが称した3月1日の201回目の誕生日に、本作に楽曲提供頂いたピアニスト横山幸雄さんの演奏付きトークショーが行われました。ショパン随一の名手で知られる横山幸雄が、ショパン誕生日に奏でた1曲は映画の中でも使用された情熱あふれる旋律の「革命のエチュード」。さらにショパンの魅力や知られざる人物像、5月に挑む212曲演奏についても語りました。
3月1日(火)横山幸雄 @TOKYO FMホール
横山:本日は映画の冒頭で流れる『革命のエチュード』を演奏します。ポーランドは、ロシアに占領され、政治的にも苦しかったのですが、そのような場所でショパンは産まれ、20歳で、追われるようなかたちで祖国を離れ、父の祖国であるパリに向かいます。その道中、祖国ポーランドが、ロシアに対する革命をワルシャワで起こします。その革命は失敗に終わってしまいます。ウィーンにいたショパンは、祖国、家族、友達を想い、とてもつらかった状況のときに書かれたというのが、この『革命のエチュード』です。
横山さんが革命のエチュードを演奏すると、お客さんは熱心に聞き入っていました。
-横山さんの演奏を聴いて、まるで旅をしている気分になりました。横山さん、映画はいかがでしたか?
横山:ショパンに関しては、どんな人で、どんな人生だったのかというのを200年前の文献や古ぼけた写真を見たりして調べていましたが、本作は史実に忠実に基づいて描かれています。今までの様に文章だけだと霞がかかったようなイメージがありましたが、映画になると200年前も前のことですがショパンとジョルジュ・サンドとの生活をリアルに感じることができました。
-ショパンも今日の横山さんの様に400人規模の観客の前で演奏したりしていたのでしょうか?
横山:ショパンの作品を演奏するとき、自分の作品を演じるような感覚でいつも演奏しているので、ショパンという人をそれほど想像したことはないけれど、ショパンは、200人の人前で弾くのでは伝わらないといって、サロンで10人くらいの前で弾いたりしていたそうです。しかし、それでも多いといってサロンからお客さんが帰り、親しい人たちが5人くらいになった時に引き始めるという感じの人だったようです。ショパン像というのはそれぞれだと思いますが、映画だといろいろなショパンを想い描けるので良いと思います。
-ショパンの魅力はどのようなところだと思いますか?
横山:ショパンは“ピアノの詩人”といわれる様に、リストのようなぐいぐい心に迫ってくる作風とは違っていて、詩の一遍のような、ショパンの心のうちにあるものをチラチラチラと囁く様な、自分だけのものと思わせるような作風なんです。非常にロマンチックなのだけれども、行き過ぎず、とても品格があるのがショパンの魅力だと思います。ピアニストとして言うのであれば、ピアノ曲だけしか作っていないのでショパンを独占できるという意味でもとても魅力的です。
監督:イェジ・アントチャク
出演:ピョートル・アダムチク、ダヌタ・ステンカ『カティンの森』、ボジェナ・スタフーラ、アダム・ヴォロノーヴィチ
音楽:チェロ:ヨーヨー・マ、ピアノ:ヤーヌシュ・オレイニチャク、横山幸雄
ポーランド/英語/126分
(c) 2002, A Jerzy Antczak Production, All Rights Reserved.
『ショパン 愛と哀しみの旋律』
3月5日(土)よりシネスイッチ銀座他にて公開
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