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Vol.149 『ナイトホークス』

ナイトホークス観賞映画振り返りコラムの55回目は1981年に観た『ナイトホークス』。この作品は一般試写で観たのですが、会場がどこだったか思い出せません。イイノホールだったような気もするんですが……。
『ロッキー』でスターダムにのし上がり、その続編で、肉体派俳優としての地位を不動のものにしたシルベスター・スタローン。このあと『ロッキー』シリーズに加え、『ランボー』も始まるというタイミングで、まったく違うイメージのキャラクターを演じたのがこの『ナイトホークス』。スタローンが演じるのはひげ面の刑事。肉体美を封印していたので、別人に見えましたね。しかも冒頭から女装ですし(^o^)


物語としてはニューヨークに入り込んだテロリストと、それを捕まえる使命をおびた刑事の話。敵となるテロリストを演じたのはルトガー・ハウアー。スタローンとハウアーが戦うアクション映画なんてすごく期待させますよね! といっても、この作品がアメリカデビュー作で、公開当時は誰も知らなかったんじゃないでしょうか。
で、その肝となるアクションシーンですが……緊迫感はあるんですが、どうも地味な展開というか。あまりハラハラドキドキという感じではありませんでした。何が原因なんでしょうねぇ。派手な演出がないというか、思い出すと、すごく静かな映画という印象が残っています。もちろんシーンとした映画というわけではないのですがそういうイメージ。ストーリー展開やテンポはとてもいいですし、悪い作品ではないのですが……。
この作品はキャストがすごく豪華な感じ。ハウアーの仲間にパーシス・カンパータ。『スタートレック』でスキンヘッドで登場し驚かせた女優さんです。スタローンの元奥さん役はリンゼイ・ワグナー。考えてみたら、リンゼイ・ワグナーが映画に出ているのってほとんど観たことないですね。あと、スタローンの相棒にビリー・ディー・ウィリアムス。『スター・ウォーズ』のランド・カルリシアンといえばわかるでしょうか。
あらためてこうしてキャストを並べるとけっこうな顔ぶれの映画だったんですねぇ。当時は何も感じませんでしたが……。
私はこの映画、スタローンが肉体によるアクションだけではなく、演技派としてもできるのだということをみせるために出演した作品なのではないかと思いました。『ロッキー』で固まってしまいそうなイメージを打破するためというか。この年の暮れには『勝利への脱出』が公開され、翌年には『ランボー』。しかしその後はやはり『ロッキー』シリーズへの出演……自分に求められているスタローン像を探していた、そんな時期だったのかなと。
それもあってこの作品は、スタローンというイメージからかけ離れている作品となり、スタローンの映画の中では少し変わった作品となったのかも知れません。こういうキャラクターのスタローンもおもしろいですけどね。いつもと違うスタローンが観たい方はぜひという作品でしょうか。
余談ですが、この作品の音楽はキース・エマーソンが担当しています。刑事物にデジタルな音という組み合わせがとても新鮮でした。
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