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Vol.151 『ニューヨーク1997』

ニューヨーク1997観賞映画振り返りコラムの56回目は1981年に観た『ニューヨーク1997』。友人2人と日比谷映画で観賞。ジョン・カーペンター監督の近未来SF。
島全体を高い壁で囲い、重犯罪者のみを収容する刑務所となっているマンハッタン島に大統領専用機が墜落してしまう。乗っていた大統領を救うために白羽の矢を立てられたのは元軍人の犯罪者スネーク。小型爆弾を体内に注入されてしまったスネークが大統領救出にかけられるタイムリミットは24時間。力こそがすべての刑務所からはたして大統領を救い出すことができるのか?


この作品は、その存在を知ったときから絶対に観に行くと決めていた映画。詳しいストーリーがどうであれ、犯罪が増えてしまったために刑務所になっているニューヨークという設定だけでどんなふうに描かれているんだろう!とワクワクしました。
近未来SFというと第三次世界大戦、しかも核戦争が起こった後の荒廃した地球という舞台の作品がほとんど。それがどうも私にはピンとこないんです。確かにそういうことも起こりえる米ソ冷戦時代ではありましたが、すべてを無に帰す核戦争という選択肢を本当に人類が選ぶことがあるのだろうか? また、それが起こったとして、荒野となった地球で生き残った人達が力のみの世界を作るのだろうか?というようなことを考えたときに、どうもリアリティに欠けている感じがして……。
ところがこの作品は、第三次世界大戦は起こっていますが、きちんと文明を保った世界であり、戦争終結に向けて努力しているという設定。そこに、犯罪率が高くなってどうしようもなくなったアメリカがニューヨークをまるごと刑務所にしてしまうという奇抜な発想。でもそれはありえるし、想像できるリアリティがあります。この設定を思いついた人はすごい!と素直に思いました。
それをジョン・カーペンターが監督する。まだまだ知名度が低いころでしたが、『ハロウィン』、それから『ザ・フォッグ』を観て注目していた人だったので、この機会にぜひスクリーンで観ようと。なんというか、独特の闇が撮れる監督という感じですかねぇ。私は今でも、夜のシーンを撮らせたらカーペンターは指折りの監督だと思っています。あの雰囲気、他の監督には出せません。
その当時は知らなかったのですが、この映画の特殊効果は実はジェームズ・キャメロンが担当しています。まだ監督したことがなく無名の時代。そう聞くと、あの夜のシーンはカーペンター監督の力もさることながら、キャメロンがいたからこそという部分もあるんだ、なるほど!と思います。
出演者としては、眼帯をしたスネークことカート・ラッセルが渋かったですねぇ。まったく笑わない。ならず者というイメージがぴったりでした。また、脇を固める役者の顔ぶれがすごい。パニック映画の常連アーネスト・ボーグナインをはじめ、リー・ヴァン・クリーフやドナルド・プレザンス。緊迫した空気を作るのにぴったりでしたね。
アクションなどは、今観ればそれほどでもないかも知れませんが、当時はかなりすごかったという印象があります。あるシーンでは、隣で観ていた友人が椅子から飛び跳ねてました。驚いて飛び跳ねる人間を現実に観るのは初めてでしたね(^O^)
SFブームまっただ中で公開されたこの作品。評価はまちまちでしたが、この『ニューヨーク1997』があったからこそ生まれた映画というのは数多く存在すると思います。それだけ斬新でしたし、インパクトが強烈だったと私は思います。
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