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Vol.169 『バトルシップ』

完成披露試写にて『バトルシップ』観賞。TOHOシネマズ六本木。ユニバーサル映画100周年の記念作品として製作されたSF大作。
新たに発見された地球型の惑星にNASAが送ったメッセージ。それに応えてやってきた宇宙からの訪問者は、科学者たちの意図と違い、侵略が目的だった。世界合同軍事演習が行われているハワイに飛来した宇宙船はその周囲にドーム上のバリアーを張り、外部からの攻撃・侵入を寄せ付けない。人類の命運はそのバリアーの中に残された3隻の駆逐艦に託された……。


宇宙からの侵略というと、少し前までは人類が及ばないテクノロジーを持った敵による攻撃によって反撃もままならないということが多かった気がしますが、最近は現在の武器でなんとかかろうじて戦えるレベルという設定の映画が多いですね。昨年の『世界侵略:ロサンゼルス決戦』もそうでしたが、実際に使われている兵器を使うことでリアリティのある描き方をしています。
ただ『世界侵略:ロサンゼルス決戦』が海兵隊員の目線を追うようにハンディカメラを多様し、臨場感を作っているのに対し、今作は洋上での戦いがメインとなるため、リアルさを求めた構図というよりは、太平洋戦争を描いた作品のようなイメージでしょうか。
しかしそこで描かれる船は実際の映像が多様され、そこにCGが盛り込まれているので、どこまでが実物でどこからがCGだか見分けがつかず、明らかにバーチャルで作られた映像という感じで興が冷めるということはありません。『トランスフォーマー』シリーズに似た興奮が味わえます。
また、ただ単にドンパチやるバトルアクションではなく、できのいい兄を持った新人将校アレックスがリーダーとして成長していく姿もきちんと描かれています。ろくに働かず、無理矢理海軍に入れられるが芽が出ないアレックスが人類の存亡をかけた戦いに望まなくてならなくなる。そのライバルとして登場する日本人将校ナガタ(浅野忠信さん)への反発から、共に戦う仲間として協調するにいたるまでの心の動きは非常にわかりやすく、共感しやすい形となっていました。
しかし、アレックスのダメさ加減を描くための冒頭のシーンがあるのですが、これが少し長いかなという気はしました。アメリカの青春映画の1シーンを見ているようなイメージで、あれ? これってSF映画のはずでは……と少々思ってしまいます。SF戦争映画を期待して観に行ってるのでよけいに長く感じてしまうのかも知れませんが、もう少しコンパクトにまとめられていればよかったかなという気はします。
宇宙人との戦いが始まると、あとはもう目が離せない展開の目白押し。ぐいぐいひっぱられていく感じと言えばいいでしょうか。途中には思わずジーンとするようなシーンも用意され、最後までワクワクしながら観ることができます。まったく違う映画ですが『アルマゲドン』と似たような衝動を覚えました。
SF映画、戦争映画、青春映画、そしてティザスタームービーのテイストも持ち、圧倒される映像で“映画とはエンターテインメントなんだ”ということを再認識させてくれる『バトルシップ』。テレビ画面ではなくスクリーンで楽しみたい1本です。
『バトルシップ』は4月13日からTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国ロードショーです。
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