Vol.184 『ゴーストライダー2』

マスコミ試写にて『ゴーストライダー2』を観賞。ニコラス・ケイジ主演のアメリカンヒーロームービー『ゴーストライダー』の続編。

父を死から救うために悪魔と契約したジョニー・ブレイズ。その契約のため、体の中に制御の利かない悪魔ザラソス＝ゴーストライダーを宿してしまい、その存在に苦しんでいた。本人の意志と無関係に出現し、悪を断罪するゴーストライダー。その呪縛から解放する方法と引き替えに、一人の少年の救出を頼まれるのだが……。

マーベルのヒーロー作品の中でもかなり異質な存在なのが『ゴーストライダー』。このダークヒーローの最大の特徴は、悪を許さない贖罪の目。その目で見つめられると、それまでに犯した罪がすべて自分に戻ってくるというもの。その対象は悪人だけとは限らないため、周囲の者を巻き込まないために放浪の旅に出たジョニー。流れ流れて、今回の舞台は東ヨーロッパに！
前作でみせた物語が誕生編とするなら、今回の作品はそれを踏まえた大冒険編になるのが通常の続編ですが、いい意味で、前作とはまったく雰囲気の違う作品になっています。父親との関係や幼なじみとの恋、スタントマンとして活躍するチームのメンバーといった前作での人間関係をすべて排除。そのしがらみがない分、ジョニー単独の物語として新しいストーリーが展開されます。
そしてその描かれ方がとても派手！　ゴーストライダーはなかなか登場しないにも関わらず、激しいアクションシーンの連続。特に冒頭のシーンは、あれ？　なんの映画観に来たんだっけ？と思ってしまいました。そのままゴーストライダーが出てこなくても話が1本作れるんじゃないか？という感じ。
そこにからんでくるジョニー。ゴーストライダーの力を封印したいが、その有効性も自覚している。その心の葛藤を演じるニコラス・ケイジのすばらしさ。数々の出演作品の中で、このジョニー役はまさにはまり役だと思います。

そしていよいよゴーストライダーが登場すると、前作を超えるバイクアクション！　もちろん炎に包まれたヘルバイクですが、チョッパーハンドルだった前作と違い、今回はアクションしやすいバイクに変わったこともあってさらにパワーアップしたシーンが次から次へと展開されます。“ライダー”と名が付くなら、このくらいやってもらわないといけませんね。
スクリーン全体が燃えてしまうのではないかというような臨場感、すさまじいスピードを感じるバイクシーン、触れるものがすべて朽ち果ててしまうという能力を持つ今回の敵。さらに、ジョニーをゴーストライダーへと変貌させたメフィストとの戦い。最初から最後まで見どころ満載のアクションが続きます。

前作では、バイクといえばという感じでピーター・フォンダが出演していましたが、今回はクリストファー・ランバートが出演しています。『ハイランダー／悪魔の戦士』はとても好きな作品なので、今回どんな役をやるのかなぁと思っていたのですが……観ている最中、クリストファー・ランバートだと気づきませんでした(^_^;)　うーん、変わりましたねぇ。
それからこの作品ではルーマニア、そしてトルコの史跡・遺跡が数多く登場します。セットではなく、本物の史跡などを使っているのがとても効果的です。やはり悪魔となると宗教的な香りのする場所のほうが似合いますよね。映画ではカッパドキアやパムッカレといった世界遺産に指定されている場所も登場するので、そうしたロケ地の映像を観ているだけでも非常に楽しいです。

他のアメリカンヒーロー作品のように明るく楽しく強いというキャラクターではないので、万人向けとは言いづらいですが、改造人間にされたことを悩みながらも人知れず悪と戦った『仮面ライダー』が好きな日本人にはとてもむいている映画だと思います。いや、むしろ『仮面ライダー』をこのぐらいのクォリティで作ってもらえないだろうか？とも思ったり……。
『ゴーストライダー2』は2013年2月8日（金）より丸の内ピカデリー他にて全国ロードショーです。

配給：松竹/ポニーキャニオン
©2012 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
→『ゴーストライダー』の記事を探す
→ニコラス・ケイジの記事を探す
→特撮ニュースはこちら

ゴーストライダー エクステンデッド・エディション [Blu-ray] ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2010-05-26 売り上げランキング : 29589 Amazonで詳しく見る by G-Tools